コンクリート構造物の耐震設計を行うための基礎資料を得るため、コア抜き、一軸圧縮強度試験、中性化試験を行います。コア抜きの際、コンクリート内の鉄筋を切断しないように、レーダー探査を行い鉄筋の位置を把握した後、コア抜きを行います。
コア抜き状況写真 |
鉄筋レーダー探査状況写真 |
一軸圧縮強度試験状況写真 |
中性化試験状況写真 |
コンクリート構造物の調査・診断は維持管理業務の一貫として「試験及び調査の方法」が土木学会の”コンクリート標準示方書”で定められております。建築のコンクリート構造物の所謂、対震度調査においてもほぼ同様な調査・診断が行われております。 一般的に実施される項目は、土木、建築分野ともほぼ同一であり、目視により漏水・ひび割れ石灰遊離・剥離・剥落等が診断されます。この目視結果を図化し、非破壊検査機器を用いた試験に入ります。一般的にはコアを抜いてその供試体を圧縮強度試験にかけます。同時にコンクリートハンマーを補完的に用い、圧縮試験にかけた部分以外の強度を把握するケースが多い。また、同様にコンクリートの中性化試験もコア抜きで得られた供試体で行います。
横軸はハンディサーチ走行距離。横軸は測定震度。
一般のレーダと同様に、アンテナから電磁波をコンクリート表面に向けて放射すると、内部に浸透した電磁波はコンクリートと電気的性質が異なる鉄筋、空洞などから反射され、再びアンテナで受信されます。
コンクリートアンカ-分野
ビル等コンクリート建造物改修分野
コア抜分野
コンクリート構造物調査診断分野
空調設備分野
ガス工事分野
電気設備工事分野
設計工事事務所分野
上記試験のほかアルカリシリカゲルの確認試験、鉄筋の腐食診断については一般的でないものの有効な試験法として実施される場合もあり、下記で紹介します。
SRI-CM-lllは1ヶ所はつり出した鉄筋にリード線を繋いで試料極とし照合電極と2つの対極(センター対極とガード対極)を組み合わせた2重の対極センサーを測りたい鉄筋のすぐ上のコンクリート表面に設置して使用します。 そして高低2周波の微弱な電流を流しその時のインピーダンス値から腐食速度と反比例関係にある分極抵抗を求めコンクリート構造物の鉄筋の腐食範囲や腐食速度を評価します。 「新日本製鐵(株)の特許」取得し開発された技術ですが、完全に確立された技術でなく進化中の技術です。試用してみるのは如何でしょうか。 -アオイテック評-
コンクリートに発生したひび割れの原因がアルカリ骨材反応(以下ASRとする)であるかを判定するにはASRが進行しているという唯一の証拠であるアルカリシリカゲルの存在を確認する必要がある。アルカリシリカゲルの判定方法は総プロ法が一般的に行われているが、この分析法は猥雑で時間を要するのが難点である。そこで簡単に判定することができる酢酸ウラニル蛍光法についてその原理と概要について説明する。
1)アルカリシリカゲルはNa、K、Ca等の陽イオンを吸着している。
2)アルカリシリカゲルに対する親和性(吸着性)はNaなどの陽イオンよりもプルトニルやウラニル等の陽イオンの方が大きい。
3)アルカリシリカゲルに対して親和性の大きい陽イオンの中でウラニルイオンは紫外線により黄緑色の蛍光を発する。また吸着速度が大きいなどの性質をもっておりアルカリシリカゲルの判定には最も適している。
4)この性質を利用してウラニルイオンをアルカリシリカゲルと接触させ、元から吸着していたNaなどの陽イオンと置換し、アルカリシリカゲルの判定を行う。
5)コンクリート構造物に析出する物質は遊離石灰(炭酸カルシウム)があるが、ウラニルイオンと接触しても蛍光を発しないので判定の誤謬は生じないと言える。
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